コーナーで気持ちよく曲がれないと感じることはないでしょうか?その原因のひとつがバイクのセッティングです。
セッティングが大きくずれているとどんなに工夫しても
気持ちの良いコーナーリングはできません。
では、何を基準に考えればいいのでしょうか?
大切なのは次の二つだと思います。
⚫︎コーナーリング全体のバイクの動きを理解すること
⚫︎セルフステアを理解すること
まずはコーナーリング中にバイクがどう動いているのか見てみます。
⬛️コーナーリングでのバイクの前後の動き
1. 侵入のブレーキングでフロントが沈む。
⒉ ブレーキングが終わりフロントが戻る。この時エンジンブレーキやリヤブレーキでアンチリフトが 働いる時もあるでしょう。
⒊ クリピングポイント(コーナーで一番曲率が大きいところ)あたりになると遠心力でバイク全体が沈む。
⒋ クリッピングポイントを過ぎアクセルを開けはじめるとアンチスクワットで再びフロントが沈む。
⒌ さらにアクセルを開けるとウィリー気味になりリアが沈む。
※4の部分はスクーターにはありません。
この一連の動きを妨げずスムーズにすることが大切だと思ます。
リアが硬すぎると3(遠心力が働いている状態)の時にリアが沈まないのでフロントが戻らず4でアンチスクワットが働いた時、更にフロントを沈めようとするのでフロントに負担が掛かりジャダーが発生します。
私はフロントフォークを調整できるバイクに乗ったことがないのでフロントを使ったセッティングは「フォークの突き出し」による知見しかありません。
知っている方の意見をお聞きしたいです。
基本的にアンチスクワットはフロントを沈めアンチリフトはリヤを沈めます。

◼️アンチスクワットの解説はこちら ◼️アンチリフトの解説はこちら
セッティングで大切なもう一つの要素はセルフステアリングです。
⬛️セルフステアリング
コーナリングではセルフステアリングによりフロントは「切れ込もう」とする力が働きます。
セルフステアリングの多くはトレールで決まります。
トレールの長さによりセルフステアリングの強さと速さが変わります。
トレールが短いとステアは
速く動きますが切れ込こもうとする力は弱いです。
トレールが長いと
切れ込もうとする力は強いですが素早く切れ込むことはありません。
この特性がコーナリングに影響を与えます。 ◼️セルフステアの詳しい解説はこちら
●トレールが短いとフロントは速く切れ込もうとします。
コーナー侵入後に速く切れ込むとライダーがバイクを倒そうとしてもフロントがロックした状態になります。こうなるとバイクは倒れにくくなります。
度が過ぎるとリアが先に倒れようとしそのリアがフロントを押す様なかたちになります。(プッシュアンダー)
これは径の小さいスクーターによくあるような気がします。
コーナーの前半ではまだバンク角が浅くフロントが弱い力で切れ込もうとしているのでブレーキ後のフロントの沈み込みが戻りしばらくすると僅かにフロントが切れ込むことがあります。でも切れ込みは弱いので怖くはありません。この現象もトレールが短い場合に起きやすいです。
●トレールが長いとセルフステアは遅く働きますが切込もうとする力は強いです。
この特性はクリッピングポイントをすぎてアクセルを開けて少ししたら(アンチスクワットが終わりウイリー気味になってから)出ます。
フロントはバンクしている時に必要以上に切れ込もうとしているのでフロントタイヤの路面を押している力が抜けた途端、急に強い力で切れ込みバイクが結構な勢いで起き上がってきます。この挙動は逆ハンのような動きです。
度が過ぎると立ち上がってくる力は相当なもので怖い思いをすることがあります。
これらの過度な動きを抑えるようにセッティングします。
●トレール長は
①フロントを下げるもしくはリアを上げると短くなりす。
②フロントを上げるもしくはリアを下げると長くなります。
フロントが速く切込もうとする場合は2を
強く切れ込み過ぎる場合は1を実行し調整します。

バイクのフロントとリヤの高さの調整は主にサスのプリロードで行うことになると思います。
フロントフォークの突き出しで調整するのはハードルが高いです。
左右のフォークの突き出しの高さを合わせても実際にはホイールのアクスルシャフトが斜めになってしまうことがあるようです。
またボルトの締め付けトルクの管理に気を遣う必要もでてきます。
またステアリングステムとフロントフォークのオフセットを変えればトレール量を調整できますが現実的ではありません。
フロントフォークでサスのプリロードによるセッティングが出来ない場合はリヤサスのプリロードで前後の高さを調整することになります。
リヤサスを弄るのが一番簡単だと思います。
よくフロントホークを縮めてキャスターを立たせながらコーナーに侵入することがポイントだと言われますが、立ちが強くなるので倒し込みに大きく荷重を掛けることが必要になります。
オフロード車の21インチのフロントタイヤでキャスターを過度に立たせるとびっくりするほど倒れません。
逆にフロントが寝ていると倒し易いはずです。
でも寝過ぎている場合、倒してしまうと必要以上に切込もうとするすのでそのあとが続きません(倒れていきません)。何度か軽量のクルーザー(フロントフォークが寝ていてトレールが長い)で倒し込みやスリ抜けが物凄く速いライダーを見たことがあります。
メーカーはミリ単位でトレールを調整しています。
それだけピンポイントでデリケートなところなのでしょう。
調整できる範囲はとても狭いです。
セッティングのポイントはフロントとリアのバランスで姿勢が大切だと私は思っています。
ショックの減衰の調整はその後の話になってくると思います。
この辺りの話になると私はまだよくわかっていません。
インプレでそのバイクのコーナーリング特性を語られることがありますがセッティング次第で違った印象になることもあると思っています。
ここで大切なことはバイクは「全てのコーナーでパーフェクトのセッティングを出すことは不可能」ということを理解することが大切だと思います。
なぜそうなのかといえばコーナーによってバンクさせるスピードとその度合いが違うからです。
自分で基準となるコーナーを決めセッティングを出すことになりますがその他のコーナーはテクニックでどうにかするしかないときもあります。
倒し込むスピードとセルフステアをシンクロさせるのが私の好きなセッティングです。
セッティングが出でいればセルフアライニングトルク(フロントタイヤが踏ん張っていること)とのバランスが取れているはずです。
※バイクの整備ができていないとセッティングはできません。タイヤの空気圧やステアリングの状態はチェックしたいところです。

